留学応援マガジン 留学アクセス 海外大学進学特集号

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留学アクセス3号

summer&Autumn(海外大学進学特集号)
取材こぼれ話

ペンシルバニア大学のキャンパスの取材に、フィラデルフィアを訪れました。誌面の都合で本誌に掲載できなかった、とっておきのこぼれ話を紹介いたします。

ペンシルバニア大学・映画クラブの夜

大学、特にundergraduate(4年制大学学部課程)はサークル活動が盛んで、その点は日本もアメリカも変わりはない。ペンシルバニア大学も例にもれず、スポーツやレジャー、カルチャー、政治・社会関連など相当な種類の同好会がある。ビラ配りや署名活動の姿もちょくちょく見られた。「20～40歳まで、健康な女性求む」と書かれたトイレのフライアーを読むと、新しい避妊法のモニター募集だったりする。
取材対象者の谷口さんが参加する、シネマクラブの会合におよばれした。日もすっかり暮れた夜7時、指定された場所は優美な古い一軒家。メンバーは日本からの珍客にエキサイトし、「どんな雑誌?」「英語版はないの?」などと次々と質問を浴びせてきた。その日の議題は卒業メンバーと新入りへの引き継ぎについて。帰国間近な谷口さんに、彼らは口々に「フィラデルフィアに来たときは、いつでも寄ってね」と、暖かい言葉をかけていた。


会合後の編集作業にも同伴させてもらうことに。毎週末こつこつと撮りためてきた映画は、監督、出演、脚本すべてメンバーが担当。補助金で足りない分は、会長ダニエルのポケットマネーでまかなっている。彼はビジネススクールWhartonの大学4年生。既に金融会社への就職も決まっているが、将来映画業界で働くことを夢見ている。それだけに熱の入れ方も違うようだ。「コンペが今週の土曜なんで、今日は徹夜かな」との言葉を聞き、”Good Luck”の言葉を残して早々に引き上げた。

時計は既に10時を回っていた。宿への道を急ぐと、あちこちの建物にはこうこうと明かりがつき、学生たちの若い笑い声が聞こえてきた。大学の夜はまだまだこれからだ、とでもいうように。

バーガーよりおすすめ?名物チーズステーキ

フィラデルフィア名物といえば「チーズステーキ」。薄切りの牛肉を溶けたチーズとパンに挟む、サンドウィッチの一種である。South Streetの超有名店Jim’s Steakは行列のできる人気店。目の前の鉄板の上でせわし気に焼かれる肉が、私の食欲にターボをかける。肉焼き係、オーダー係、飲み物係が見事に連係し、見とれているうちにすぐ番がくる。野菜やチーズなどトッピングを指定できるのだが、ここはオーソドックスに「素チーズステーキ」で決めた。

壁一面にトランペッターやら往年の女優やら、渋目セレブのサインが飾られている2階で、さっそく食してみる。バゲットからは薄切りの牛肉、あめ色になるまで炒められた玉ネギがハミ出し、そこにオレンジ色のチェダーチーズがふわりと乗っている。ソースはかかっておらず、塩と胡椒だけの淡白な味。見た目のボリュームに反し、女性の私にもぺろりと平らげることができた。

蛇足だが、South Streetのもうひとつの名物”Irish Ice Cream”も紹介しよう。店の名前と、いかにもアメリカっぽい毒々しい色合いが気に入って、デザート代わりに頼んでみたが…。記念撮影にとどめておいた方が良いと思う。